適格海外機関投資家(QFII、Qualified Foreign Institutional Investors)制度は、中国証券監督管理委員会(CSRC)が認めた海外機関投資家に対し、条件付きでA株の取り扱いや売買を可能にする制度です。政府は大量の資本移動で為替レートが不安定になることを恐れ、外資によるA株投資を全面禁止していましたが、2002年11月の新規定でこれを部分開放しました。
これまでは、A株市場の優良銘柄を購入する道が閉ざされていましたが、同制度によって、海外ファンドのA株購入が可能になりました。購入金額や売却時期に規制はありますが、これはA株の事実上の対外開放です。A株の中には、香港市場に上場していない優良銘柄が数多く存在しますから、その意義は非常に大きいと言えるでしょう。
また、2006年9月にはQFIIの国内証券投資に関する新規定が施行され、資格条件が大幅に緩和されました。さらには2009年10月、1機関投資家当たりの投資枠を8億米ドルから10億米ドルに引き上げるなど、規制緩和が進められています。投資枠も制度開始当初の100億米ドルから、2013年7月に1500億米ドル、2019年1月に3000億米ドルと段階的に引き上げられ、2019年9月には投資枠の完全撤廃が発表されました。
なお、2024年4月時点でQFII資格を取得している海外の金融機関は計821社となっています。
また、11年8月には、中国の李克強・副首相(当時)が、香港の本土系証券会社を通じて人民元建て中国株投資を認める「RQFII」制度(RMB Qualified Foreign Institutional Investors)を導入する方針を表明。11年12月に複数の証券会社が認可を取得しました。
QFII資格取得済み機関投資家一覧 |
機関名 |
機関名 |
UBS |
ゴールドマン・サックス |
日興アセットマネジメント |
ABNアムロ |
ドイツ銀行 |
ハンセン銀行 |
HSBC銀行(香港上海銀行) |
第一生命保険 |
野村証券 |
住友信託銀行 |
|