香港の株式市場−H株、レッドチップとは?
 香港市場(メインボード、GEMを含む)に上場する株式を大別すると、H株、レッドチップ、その他に大別されます。

■ H株:登記地が中国の本土企業が香港で発行する株式

 H株(H Shares)を発行するのは中国で登記された純然たる中国企業で、本土で事業を展開しながら香港市場に上場しているものを指します。H株の「H」は「Hong Kong」の頭文字を採ったもの。道路、電力、鉄鋼など重厚長大型の国有企業が多く、H株は香港市場で海外の資金を調達する手段となっています。これら企業には中国本土の法律が適用されます。

 H株企業の中には、本土のA株市場にも上場している企業がありますが、A株とH株は、同一権利、同一額面の株式です。

■ レッドチップ:一般に中国資本が30%以上で、香港またはバミューダ、ケイマン諸島などのタックスヘイブンで登記されている銘柄

 レッドチップ(Red-Chip stocks)は、中国本土に主な事業資産を有している海外登記企業で、香港に上場しているものを指します。レッドチップは一般に中国政府系資本が30%以上を占め、通常はケイマン諸島やバミューダ諸島、英領バージン諸島(BVI)などで登記されています。法律と会計制度は登記地のものが適用されます。

 「レッドチップ」という名称は、収益性、安定性、成長性に優れた優良株を意味する「ブルーチップ」を中国共産党のカラーにもじって呼んだことからきています。1980年代から中国資本による香港企業の買収が相次いだことから生まれた分類ですが、90年代以降は通信、テクノロジー関連の有力企業を中心に上場数が急増しました。

■ H株、レッドチップのいずれにも属さないもの

 香港上場銘柄には、H株、レッドチップのいずれにも属さないものも多数存在します。これらは香港の地場企業または海外の香港上場企業などです。

メインボード GEM
上場企業数 2278 329
 H株銘柄数 311 16
 レッドチップ銘柄数 171 5


●香港市場に上場する株式は、H株、レッドチップ、その他に大別することができる

H株企業
香港に上場している中国企業

レッドチップ
主に中国政府系資本が30%以上。香港またはバミューダ、ケイマン諸島などのタックスヘイブンで登記されている香港上場企業

基本編
中国株とは?
1-1 中国株の種類
1-2 本土と香港市場市場の特徴
1-3 本土の株式市場−A株、B株とは?
1-4 本土の株式市場−ST、*STとは?
1-5 香港の株式市場−メインボードとGEM
1-6 香港市場の株式市場−H株、レッドチップとは?
1-7 上場企業数と時価総額は?
1-8 指数には何があるの?
1-9 指数には何があるの?−本土市場の指数
1-10 指数には何があるの?−香港市場の指数
1-11 中国企業の決算発表は?
1-12 配当はありますか?
1-13 有償増資があった場合は?
1-14 中国株に投資するリスクは?
1-15 情報収集はどうすればよいですか?
初級編
投資を始める前に押えておきたい基礎知識
2-1 中国の概要は?
2-2 QDIIとは?
2-3 QFIIとは?
2-4 AH価格差とは?
2-5 AB価格差とは?
2-6 中国本土株の種類は?
2-7 CDR・HDRとは?
2-8 中国証券市場の沿革は?
2-9 非流通株改革とは?
2-10 滬港通・深港通とは?
2-11 並行売買とは?
取引編
各市場の規定はどうなってる?
3-1 取引時間は?
3-2 決済通貨は?
3-3 取引単位は?
3-4 値幅制限は?
3-5 呼び値は?
3-6 取引停止情報
3-7 休場スケジュール
3-8 台風・暴風による取引停止
実際に投資を始めるには?
4-1 取引開始までのステップ5