本土と香港市場の特徴
 香港市場と本土市場の大きな特徴としては、香港市場が「米国の金利や株式相場の影響を受けやすい」のに対し、本土市場は「中国政府の政策の影響を受けやすい」点が挙げられます。

 香港ドルは米ドルとのペッグ制(香港ドルと米ドルとの為替レートを一定に保つ制度)を採用しています。そのため、米国経済の影響を受けやすく、米国の金融政策や米連邦準備理事会(FRB)議長の発言が、香港市場に影響を与えることもあるのです。香港市場のもう一つの特徴として、株価のボラティリティ(振れ幅)が大きいことがしばしば指摘されています。これは、香港株には値幅制限がないこと、また、海外投資家にも市場が自由に開かれているため、世界の株式市場の影響を受けやすいことなどが理由として挙げられます。

 これに対し本土市場は、世界の株式相場の影響を相対的に受けにくい独自マーケットと言われています。国内要因、特に中国政府の政策を反映しやすい市場ですので、一般報道程度の情報収集は最低でも必要です。


●香港市場:米国をはじめ各国市場の影響を受けやすい
●本土市場:中国政府の政策の影響を受けやすい
基本編
中国株とは?
1-1 中国株の種類
1-2 本土と香港市場市場の特徴
1-3 本土の株式市場−A株、B株とは?
1-4 本土の株式市場−ST、*STとは?
1-5 香港の株式市場−メインボードとGEM
1-6 香港市場の株式市場−H株、レッドチップとは?
1-7 上場企業数と時価総額は?
1-8 指数には何があるの?
1-9 指数には何があるの?−本土市場の指数
1-10 指数には何があるの?−香港市場の指数
1-11 中国企業の決算発表は?
1-12 配当はありますか?
1-13 有償増資があった場合は?
1-14 中国株に投資するリスクは?
1-15 情報収集はどうすればよいですか?
初級編
投資を始める前に押えておきたい基礎知識
2-1 中国の概要は?
2-2 QDIIとは?
2-3 QFIIとは?
2-4 AH価格差とは?
2-5 AB価格差とは?
2-6 中国本土株の種類は?
2-7 CDR・HDRとは?
2-8 中国証券市場の沿革は?
2-9 非流通株改革とは?
2-10 滬港通・深港通とは?
2-11 並行売買とは?
取引編
各市場の規定はどうなってる?
3-1 取引時間は?
3-2 決済通貨は?
3-3 取引単位は?
3-4 値幅制限は?
3-5 呼び値は?
3-6 取引停止情報
3-7 休場スケジュール
3-8 台風・暴風による取引停止
実際に投資を始めるには?
4-1 取引開始までのステップ5