適格国内機関投資家(QDII、Qualified Domestic Institutional Investors)制度とは、一定の条件を満たした国内の機関投資家に海外の証券投資を認める制度です。この制度の導入により、中国本土の投資家が海外の証券にも投資できるようになりました。
中国人民銀行(中央銀行)は2006年4月に条件を満たす国内の商業銀行や保険会社などの金融機関に対し、一定限度内で保有外貨の海外運用を認めるとの通達を発表し、QDII制度の解禁を宣言しました。人民銀行はQDII制度解禁の目的について、「外国為替市場の発展と国際収支バランスの改善を促すため」と説明しています。同制度導入の背景には、過剰流動性の解消や外貨準備の急激な拡大を抑制したい当局の意向が反映されていると考えられています。
複数の商業銀行、保険会社、証券会社や投信信託会社がQDII資格を保有しており、個人投資家向けに香港株を組み入れたファンドを販売しています。また、銀行系QDIIファンドについては香港のほか、英国、シンガポール、日本、米国などの株式への投資も認可されています。
適格国内機関投資家(QDII)制度 |
● | 中国の機関投資家に外国株(香港株など)の売買を認める |
● | 個人投資家にはQDII制度を通じた外国株ファンドが人気 |