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中国株に投資するリスクは? |
世界貿易機関(WTO)加盟や世界最大の外貨準備高などを背景に、国際政治・経済における中国のプレゼンスは高まってきています。こうしたなか、政治的リスクは少なくなっているとの見方が増えてきましたが、中国株に投資するに当たり、やはり注意すべき点はいくつか存在します。
まず、中央政府の一声で取引ルールや産業政策が大きく変わる可能性です。例えば、業界再編や価格規制、ライセンス付与に関する政策などの変更で、業界の勢力図が一変するということも起こり得るわけです。筆頭株主が国有企業の場合、上場子会社の資金を吸い上げていたり、コーポレート・ガバナンスの問題が生じたりもします。
また、中国企業の情報開示や会計基準に関する問題も指摘されています。これについてはWTO加盟後に各企業が会計基準を国際化しているほか、前述の「*ST制度」を設けるなど、改善に向けた取り組みが本格化していますが、虚偽報告や不正会計で経営者が逮捕されるケースも見られるなど、まだまだリスクが存在します。日本人にとっては日本語の情報が限られるという点もハンディとなるかもしれません。このほか、外国株として日本の法令に基づく投資家保護措置が適用されない点にも要注意でしょう。また、通常の中国株取引は香港ドルなどの外貨で行うため、為替変動リスクにも気を配りたいところです。